●不整脈とは

健康な人の心臓は、心房上部(洞結節)から出た規則正しい電気的収縮命令がスムーズに心室に伝わり、規則正しく心室が収縮し、ドキン、ドキンと拍動を繰り返しています。
心臓が規則正しく収縮するのは、心臓の筋肉の中に刺激伝導系と呼ばれる、心房上部(洞結節)から出る規則正しい電気的収縮命令を心室の筋肉に伝える組織があるからです。家にたとえると、電気の配線のようなものです。
不整脈とは、心房上部(洞結節)の電気的収縮命令に異常が起こったり、刺激伝導系にさまざまな障害が起こった心臓の病気です。

拍動の仕組み(刺激伝達系)

心臓には、独自のリズムを生み出す仕組みが備わっており、それは刺激伝導系とよばれています。心臓の鼓動のリズムは、右心房の上部の洞結節と呼ばれるところで作られます。そのリズムは刺激としてここから心房の壁を伝わって、右心室との境界近くの房室結節に伝達されます。このような仕組みにより心臓は規則正しく拍動をするのです。



心室細動:心室の各部所から異常な電気的収縮命令が勝手に出て、心臓の拍動数が急激に増え、心室が細かく波打つ状態。心室が正常な収縮をすることができず、血液を心臓から各臓器に送り出せなくなる不整脈です。心停止と並んで生命の危機的状況です。
昨年逝去された高円宮さまは運動後、この心室細動を起こしたとみられます。治療にあたった救急部長は「重症の不整脈が激しい運動により起こった」と報告。心室細動が起こると、1分間の拍動は300〜600回になるといわれます。心臓から血液が出されないため、すぐに意識を失い、3分で脳死が始まるともいわれています。

心房細動:老人の不整脈の代表です。心房の各部分から異常な電気的収縮命令が勝手に出て、心房が正常な収縮をすることが出来ず、血液を心房から心室に送り出せなくなるものです。しばしば動悸、胸苦しさなどが感じられます。心房細動があると心房内に血栓(血液の固まり)を作り易く、この血栓が脳梗塞の原因となることがしばしばあります。このため、心房細動を持った人は、少なくも血栓(血液の固まり)を作ることを予防する薬(抗血栓薬)の服用が必要です。

除細動器はこのような細動を電気ショックにより、心臓をもとのリズムに戻す働きがあるのです

動画による説明
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