夏前に安全対策への意識を高めて行きましょう
お店に持って帰ってきた「残圧計」
なんか違和感ありませんか?
そう
シリンダーにセットもしてないのに、スタート時の圧力が50BAR…
そして、文字盤が傾いてるの分かりますでしょうか?
針の位置は正確なんですが、どういう理由か分かりませんが、文字盤がずれた事で多めの値を指してしまうんです
先日の講習中に、受講生の方が
「あれ?150BARしか入ってないです」
と言うので、ではシリンダー交換しましょう…と持ち上げたところ結構重いので、あれ?満タン入ってそうな重さなのになぁ…と思って別の残圧計で測ったところ、ちゃんと200BARあるんですね
おかしいなと思って文字盤見ると異様に傾いてて…😅
この時の文字盤の角度はセッティングの時に少なめに指してたので「シリンダー変えよう!」となった訳ですが、上記の写真のように違う角度で傾いていて「多めに入ってるラッキー」って事になって、そのシリンダーを使用しちゃった場合、水中では指してる値より実際は少ない量…と言う事になり、エアー切れになっていたかもしれません
なのでいつもより多めのエアーが入ってるからと、安心してはいけません
(夏場は気温の上昇から、シンダー内の圧力が20BARほど高くなって表示される事はありますが、それでも50BAR以上になる事はありません)
基本どこのポイントも200BARで充填してくれてる事が多いですが、浅場のビーチポイントなんかでは180BARに設定している事も…
分からない場合は、インストラクターに聞いて、そのポイントで使用するシリンダーが普段何気圧の充填をしているのか確認するのも大切であり、文字盤の角度が正しい角度であるかも確認しましょう
あと、針の動きにも注意です
リゾートのレンタル残圧計を使用した方のとある話ですが、ファーストステージから侵入した海水が逆流して、残圧計の中身を錆びさせてしまう事により、正常な値を刺さない残圧計もあるそうです
最悪なのがダイビング途中で針が止まってしまう事…
例えばダイビング中に残圧計の値が100BARの場所から針が動かなくなって、おかしいなと水中で少し振ってみたら、一気に50BARまで針が飛んだ…なんてこともあったそうです😅
これはセッティング時のチェックで、バルブを開いた時に針の動きを見てれば、針がぎこちなく動く事で異変に気付くのですが、残念ながら今だに残ってる都市伝説で「バルブは見ながら開けてはいけません!!」なんて教えてるインストラクターが多い…
理由は「ガラス面が割れて顔に飛んで来たら危ないでしょ?」と言う理由なんですが(吉田も初めはそのように習いました)
30年近くセッティングしてて、顔面にガラスが刺さりまくってボーゼンとしてる人を私は見た事がありません
まぁ100%「無い」とは言い切れませんが、それでも異常があった時は構造上、圧は残圧計の後ろに抜けるようになってるし、ガラス側が割れるなんてことはまずない
それよりも上記の理由から、しっかりと針が正常の動きをしているか、確認しながらバルブを開ける方が大切です
勿論この時、レギュレーターに負担を掛けないように、バルブはゆっくりと開けるんですが、でもゆっくり過ぎてもダメ
ビビりながら、途中で止めるような極端なゆっくりとした開け方をすると、それだけで針が止まってしまうので、これも動きの確認が出来ないのでNG
更に各部に負荷をかけない意味でも、セカンドステージのパージボタンを少し押しながら、バルブは開けましょう
…と言う事でバルブ開けるだけでも少しコツがいる訳で、世の中のプロダイバーはその辺りをしっかり教えて行く必要があるんじゃないかと思った次第です、ハイ
普段の扱い方にも注意しましょう
残圧計を高い所から、コツンと床に落としたりしても行けません。それだけでも針の動きが悪くなったり、正確な値を出さなくなる可能性があるからです(これはセカンドステージも同じ事が言えます)
そういう意味で、普段使っているマイ器材だと大切に扱いますし、いつもと違う異変にすぐに気付いたり、使用頻度からそろそろ点検に出さないとダメだな…など思うようになってくるんですね
でも大事なことは考え方として安全対策への「意識」をしっかり持つ事であります
マイ器材や新しい器材だからと安心してもいけないのです
事故は100%は防げません
でも意識として「事故なんか起こらないっしょ」と思う方と「いつ起こってもおかしくない」と考える方とで事故に遭遇する率はずいぶん変わると思います
と言う事で、リスクマネジメントとしては事故する可能性を少しでも下げる努力を習慣化するって事が大事なんだと思います
夏前に今一度、安全に関する意識を見直してみましょう~