2025年10月22日にアメリカ心臓協会(AHA)やヨーロッパ蘇生協議会(ERC)の「蘇生ガイドライン2025」が発表され、それに伴い日本蘇生協議会が翌日に「JRC蘇生ガイドライン2025」のオンライン版を公開しました
このガイドラインは、日本における救急・蘇生の指針で、5年ごとに科学的根拠に基づいて改訂されています
2026年3月に書籍として完全版が発行される予定です
主な改訂点は…
AED使用時の服の着脱に関する追記
適切な位置の素肌にパッドを貼ることができれば服をすべて脱がさなくてもよい
という内容が追記されました
現在でも一部の講習会では、AED使用時に服を完全に脱がすことを奨励している講習もあり、女性の服や下着を脱がせることに抵抗を感じることが一因とされ、女性に配慮したAEDの使用方法として具体的な指示がなされた感じです

死戦期呼吸に関する追記

突然の心停止の直後には死戦期呼吸、すなわちしゃくりあげるような不規則な呼吸が時折みられるのですが、これを救助者は「呼吸をしている」と誤って判断して見逃すことがあるが、このような普段どおりでない死戦期呼吸を認めた場合もCPRが必要である
という内容が追記されました
胸骨圧迫のリスクに関する追記

「心停止ではない場合でも、胸骨圧迫によって傷病者に傷害が発生するリスクは低く、救助者は恐れずに胸骨圧迫を開始すべきである」
という内容が追記されました
オートショックAEDに関する追記

「ショックボタンを押さなくても自動的に電気ショックを行う機種もあり、その際もAEDの音声メッセージに従う」
という文章が追記されました
最近の機種は、救助者が電気ショックのボタンを押さなくてもAEDが判断して自らショックを与えてくれるものが出ており、救助者の心理的な面をサポートしてくれる造りになっています
JRC蘇生ガイドライン2025の一次救命処置手順
大きな変更点はありませんが、各部上記の注意点が追加されたのと、救助者がためらわない様に処置できる流れとなっています
- 周囲の安全確認
- 反応の確認
- 119番通報・AED手配
- 呼吸の確認と心停止の判断 (死戦期呼吸に注意)
- 胸骨圧迫 (傷害が発生するリスクは低いため恐れず行う)
- 胸骨圧迫と人工呼吸
- AED (服をすべて脱がさなくてもよい、AEDの指示に従う)
- 一次救命処置を継続する
いつも言ってる事ですが、何かあってからでは大切な人は守れません
一般社会で生活している者として、しっかりと救急スキルを習得しましょう

